キサトア 小路幸也 理論社
2007年 03月 02日
今年に入って、少し集中して小路幸也を読んでいます。
講談社メフィスト受賞作品の『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-townfiction』講談社
『高く遠く空へ歌ううた pulp-town fiction』講談社
『Q.O.L』集英社
『そこへ届くのは僕たちの声』新潮社
今回紹介するのは、理論社から刊行されている『キサトア』です。
色は識別できないが、独自の感性があるリトルアーティスト、主人公アーチ。そのアーチ少年の双子の姉妹キサとトア。キサは日の出とともに起きて、日没とともに寝てしまう。逆にトアは日没とともに起きて、日の出とともに寝てしまう。すれ違いだけど、仲の良い二人。父親は風のエキスパートとして「巨人の腕」と呼ばれる風車で、毎年「夏向嵐(かこらし)」に苦しめられていた町を救う・・・。
アーチ少年の設定は小路幸也らしい喪失感と、ナイーブな印象ですが、小説全体の雰囲気は、舞台となる海辺の町が、無国籍でちょっといしいしんじみたいで、カーニバルや世界のアーチストがマッチ棒工芸を競い合う「マッチタワーコンクール」など、まるで永遠に続く夏休みの町のよう。
典型的な少年の成長を描く物語ですが、そこは理論社。こんな小説を小路幸也さんに書かせるなんて素敵です。わたしも小学生の頃に読んでみたかったものです(笑)
講談社メフィスト受賞作品の『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-townfiction』講談社
『高く遠く空へ歌ううた pulp-town fiction』講談社
『Q.O.L』集英社
『そこへ届くのは僕たちの声』新潮社
今回紹介するのは、理論社から刊行されている『キサトア』です。
色は識別できないが、独自の感性があるリトルアーティスト、主人公アーチ。そのアーチ少年の双子の姉妹キサとトア。キサは日の出とともに起きて、日没とともに寝てしまう。逆にトアは日没とともに起きて、日の出とともに寝てしまう。すれ違いだけど、仲の良い二人。父親は風のエキスパートとして「巨人の腕」と呼ばれる風車で、毎年「夏向嵐(かこらし)」に苦しめられていた町を救う・・・。
アーチ少年の設定は小路幸也らしい喪失感と、ナイーブな印象ですが、小説全体の雰囲気は、舞台となる海辺の町が、無国籍でちょっといしいしんじみたいで、カーニバルや世界のアーチストがマッチ棒工芸を競い合う「マッチタワーコンクール」など、まるで永遠に続く夏休みの町のよう。
典型的な少年の成長を描く物語ですが、そこは理論社。こんな小説を小路幸也さんに書かせるなんて素敵です。わたしも小学生の頃に読んでみたかったものです(笑)
by miketa-no-ai | 2007-03-02 22:43